前車ZRT272Wアベンシスを下取りに出す前に履かせていた19インチのタイヤとホイールが残ってしまったので、最近購入したトヨタのミニバン、新型90系(95)ヴォクシーハイブリッドE-Fourに履かせてみました。キャンバー加工を前提としたホイールマッチングをたまに見かけますが、4WDのノーマル車高かちょい下げを前提とした非推奨ホイールマッチングとなります。
トヨタ 90系ヴォクシーハイブリッド E-Fourのホイールマッチング!19インチ8J+38を履かせてみた!
90系ヴォクシーとノアの足回り
トヨタの新型ミニバンである90系ヴォクシーとノアのサスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット式コイルスプリング、リアがトーションビーム式コイルスプリングというMサイズミニバンやコンパクトカーなどに多く見られる近年ではオーソドックスな組み合わせのサスペンション形式です。
マクファーソン・ストラット式とは、シャーシ側とタイヤ側を繋ぐロアアームと、ナックルとボディを繋ぐショックアブソーバーとコイルスプリングで構成された独立懸架式の中でも単純な作りのサスペンションで、少ない部品点数で構成されることによって経費削減が容易です。
ダブるウィッシュボーン式のようにアッパーアームを持たない分、ショックアブソーバーに強度が必要になるのと、タイヤからショックアブソーバーへのクリアランスも保たせないといけないので、タイヤハウスの張り出しは大きくなってしまいます。
車高を変化させた場合はキャンバー角は若干ネガティブ方向に動くもののダブルウィッシュボーンやマルチリンクと比較すると大きな変化はありません。その代わりトー角が変化しやすい傾向があり、タイロッドが付いてる方向が引っ張られて内側に入るような構造です。
リアのトーションビーム式コイルスプリングは、車軸式サスペンションの一種で、シャーシとタイヤ側を繋ぐトレーリングアームと左右のトレーリングアームを繋ぐクロスビーム、そしてショックアブソーバーやコイルスプリングで構成されるFFミニバンやコンパクトカーで使用されることが多いサスペンションです。
トラックなどで採用されているリジット式に似た構造ですが、トーションビーム式はクロスビームがスタビライザーのような役割を果たし、ある程度は左右個別に動かす事が出来る車軸懸架と独立懸架の中間的な方式で、ばね下の部品点数が少ない事から車内への張り出しが少ないのも特徴的です。
車高を変化させるとキャンバー角やトー角の変化がほとんど無い分、トレーリングアームの車体側ピボットを中心にタイヤが前後に動いてフェンダーアーチのセンターと合わなくなる事がほとんどですが、元々キャンバー角が付けられている場合はトレーリングアームの角度によってトー角が変化する事もあります。
ダブルウィッシュボーンやマルチリンクのように車高を下げるとネガティブキャンバーが付いてタイヤ上部が内側に入っていくような方式ではないので、フルバンプした時に干渉を避けるとすればツライチを出しにくい方式となってしまいます。
今まではリジットやトーションビームのような車軸懸架式のような構造があまり好みではなかったので、四輪独立懸架が前提の車選びをしていましたが、今回初めてこだわりを捨ててリアにトーションビーム式コイルスプリングを採用した90系ヴォクシーハイブリッド E-Fourを購入する事になりました。
90系ヴォクシーの4WDはフェンダーアーチとタイヤの隙間が大きすぎる
アベンシスの前まではダウン量が結構過激でした
オデッセイやマークⅡブリットでリア9.5J、マークⅡクオリスでリア8.5Jと割と太めのタイヤとホイールを履かせていましたが、前車アベンシスに関してはツライチマッチング無しで8J+38の19インチに225/40を履かせておりました。
アベンシスの1810mmワイドボディーでは、フェンダーの外側からかなり引っ込んだ形のホイールマッチングになります。
多分、一番過激なローダウンをしていたのは、上記写真のマークⅡブリットですね。職場が陸運局の近くだったので、目を付けられてしまって車高を戻す前の写真です(笑)
今まで鬼キャンや地上高が低すぎるローダウンもやってきましたが、前車アベンシスはノーマル車高のまま19インチホイールを履かせただけのドレスアップ程度でした。
街乗りや通勤で走らせるスタイルから、アベンシスからは遠出や長距離走行がメインとなったのもあって、タイヤの片減りがしやすいローダウンを辞めたのです。
つまり車いじりからの卒業ですね。
ヴォクシーの4WDのフェンダークリアランス
ところが、居住性や燃費だけを考えて購入したはずの90系ヴォクシーハイブリッド E-Fourはフェンダーアーチとタイヤの隙間がかなり広く、分かっていてもフェンダーのクリアランスが少し気になりだしたのです。
アライメントの変化が少なければ、多分ローダウンぐらいはするでしょう・・。少なくてもFFの車高ぐらいには。(やりました・・)
アベンシスを手放した時に純正アルミホイールとスタッドレスタイヤに履き替えさせていたので、冬以外に履かせていた19インチのアルミホイールと新品に交換したばかりのタイヤを、90系ヴォクシーハイブリッド E-Fourに履かせてみました。
90系ヴォクシーに8J+38の19インチを履かせてみます!
リアはほぼツライチかはみ出ているぐらい
通常はフロントよりもリアの方が太いホイールを履けるはずなのですが、歴代のノアとヴォクシーに関してはリアの方が外側に出せないらしく、前後のホイール幅とインセットを揃える事が多いらしいです。
昔はオフセットと言っていましたが、今はインセットと言うみたいですね。
そもそも4WDの場合は前後同サイズにしないと常にスリップ状態であるとコンピューターが認識してしまうので、タイヤ外形が変わる前後異形サイズというのはやめた方が良いのですが、90系で前後同サイズで丁度収まるというのは4WDのドレスアップ的にも丁度良いのです。
もちろん、ツライチマッチングは目視なので、見た目だけで入っているかどうかを判断しております。
ジャッキが車体下に入っておりますが、これでもジャッキで上げていない状態なのです。
90系ノアとヴォクシーの4WDはガソリン車とハイブリッド共に2cm~3cmほど車高が高く、オフロード仕様にするかローダウンでもしないとフェンダーアーチとタイヤの隙間がかなり広く不格好になってしまっています。
雪道の走行は犠牲になってしまうと思いますが、少し車高を下げた方が車体の大きさに対してバランスが良くなるのではないかと思います。
後ろから見てみるとリムが出ているかな?という感じなので、車検的には完全アウトなツライチ?ぐらいに収まっているのではないかと思います。
ただしバンプした時にタイヤがフェンダーアーチに被るような車高の場合は、爪をカットしたとしても接触するとは思いますので、ちょい下げで個体差によっては収まるインセットと幅が8J+38になるのではないかと思います。
リアの内側はかなり余裕がありましたので、極端なローダウンをしなければ8.5Jぐらいはいけるとは思います。
かなり際どいセッティングになるような予感はしていましたが、ノーマル車高で8J+38が入らないかツライチぐらいになってしまうとは思いませんでした。
フロントはノーマル車高ではみ出る
フロントに関しては8J+38のノーマル車高で少しはみ出ます。ローダウンをして少しでもキャンバー角が付いてくれれば、丁度良く収まるのだと思いますが、変化が無ければキャンバーボルトでタイヤ上部をフェンダーの内側に収めなければいけなくなるとは思います。
FFと4WDでフロントの足回りを差別化しているとは思えないので、FFと比較してポジティブキャンバー傾向にあるような気もしますが、実際に測定をしてみないと分からないでしょう。
225/40ZR19では純正よりも少しタイヤ外形が大きくなるタイヤサイズとなってしまいますが、ヴォクシーハイブリッドの重量を考えると215/35よりはリムの底付きの心配は無いとは思います。
しかし、ステアリングを完全に切ると車高によってはフロントインナーカバーと接触する可能性も高いサイズとなってしまいそうなので、8Jインセット+38と225/40という組み合わせはかなり際どいセッティングになりそうです。
フェンダーアーチとタイヤの隙間がとても気になるスタイリングですが、どうやらリアのドライブシャフトがバンザイ状態にならないように水平位置を標準車高にした結果、バランスを考えてフロントの車高も上げているとの事。
80系4WDではホットロッドのような尻上がりになっていましたが、90系は極端な尻上がりにしなくても大丈夫なくらいにリアモーターやリアデフが小型化されて、この車高に落ち着いたようです。
その分、ローダウンをするとそれなりにドライブシャフトやシャフトブーツへの負担は増えます。
RS-R Ti2000でローダウン後は良い感じのツライチ!
その後、RS-Rのローダウンスプリング Ti2000で車高を下げて、19インチの8J+38を装着してみました。ZWR95WヴォクシーハイブリッドE-Four用のTi2000は、フロントで-30から-35mmのダウン量、リアで-45~-50mmのダウン量となりますが、リアにモーターかデフが付く4WD車共通で、尻上がりな車高がFF車ノーマルに近い車高になるだけです。
それ以上のダウン量を求めるのであれば、車高調を入れるのがベストな選択になると思われますが、Ti2000にスプリングを変更するだけでも無駄に広すぎるフェンダークリアランスが気にならなくなる程度までには下げられます。
ほぼリムでツライチで、走行している分には今の所干渉はありませんでしたが、これ以上下げるとなると引っ張りタイヤにでもしないと干渉はするでしょうし、さらにリム被りをするまで下げるとなるとフェンダーの爪加工かネガティブキャンバーにしないと入らないと思います。
ローダウンをした時点で1.3~1.5のネガティブキャンバーがリアに付いていたので、個体差によってはホイールのはみ出しもあるギリギリのサイズになるのではないかと思われますし、RS-RのヴォクシーハイブリッドE-Four用Ti2000開発完了の記事よりも収まりが良く見えるのも個体差なのでしょう。
19インチで215/35や225/35などの35扁平タイヤを選択する例が多いようですが、個人的にはノーマルより外形が少し大きくなる225/40の方がフェンダーアーチの大きさに対してバランスが取れているとは思いますし、ロードインデックスが純正よりも上がる93Wのタイヤを選ぶ事ができました。
また、ノーマル車高やちょい下げ程度であれば、無理に引っ張りタイヤにしない方が違和感が無い仕上がりになるというのが個人的見解です。
メーターの誤差は車検時の許容範囲内に収まったとしても、タイヤの外形を大きくするという行為はファイナルのギア比を最高速寄りに変えたみたいな行為になりますので、ただでさえEV走行で60km/h~70km/hを維持する事が難しい車が、タイヤの外形を変えた事によって益々速度を維持するのが難しくなります。
正直な所、体感でも加速のもたつきとEVでの定速走行の難しさは感じていますし、燃費は若干落ちます。
この辺も個人の好みだと思われますので、無難な所を選ぶと、ドレスアップメーカーが公表している19インチの8J+42に215/35か205/45あたりのホイールマッチングが正解なのでしょう。
筆者所有の車体ではぴったりツライチに収まりましたが、ダウン量や車体の個体差によってはハミタイになるかもしれないという事と、ロードインデックスの都合で、車重の重いハイブリッドE-Fourでは非推奨のホイールマッチングとさせていただきました。
ノーマル車高またはRS-R Ti2000取り付け後のヴォクシーハイブリッドE-Fourに19インチ8J+38に225/40の組み合わせをご紹介いたしましたが、個体差でぴったり収まった可能性もあるので、取り付ける際は自己責任でお願いします。
ちなみにローダウンサスの取り付け店舗は、コクピット名取店さんです。
1G締め付けや仮アライメントまで丁寧に作業をしてくれて、3時間もかからずあっと言う間に手元に戻りました。
取り付け作業の様子はコクピット名取店さんのカスタマイズ別ショーケースでも紹介されておりますので、是非そちらもご参考にしていただければ幸いです。
5000km走行後に再度アライメント測定をし、スプリングが馴染んだ分のアライメントを再調整する予定です。
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