トヨタ車に搭載されているディスプレイオーディオ(カーナビ)には、CDに収録されている音源よりも高音質な音楽を聞く事が出来るハイレゾリューションオーディオこと、ハイレゾ音源に対応している機種があります。車内で高音質なハイレゾ音源を聞くためには対応した音源を1曲ずつ購入しなければいけないのですが、それよりもオススメなのが、ハイレゾ対応の音楽サブスクです。
この記事ではハイレゾで再生できる数少ない音楽サブスクをご紹介します。
トヨタ車でハイレゾ音源対応ディスプレイオーディオで音楽を高音質で聞くならこれがオススメ
音楽メディアの歴史と音質
カセットテープやアナログレコードに変わって音楽を視聴するためのメディアとして主力になった音楽CD(コンパクトディスク)が登場してから40年近くが経過しようとしていますが、今も昔も収録されている音楽の音質自体は変わっていません。
と言うのも、規格統一に向けて話し合いを続けているうちに意見の対立が何度も繰り返されていた中で、ソニーが提案していた「21世紀になっても通用するシステム」としてサンプリング周波数44.1kz、量子化ビット数も16ビットで統一が進められていたのがあります。
今に至るまでにDAT(デジタルオーディオテープ)やMD(ミニディスク)が登場しましたが、2000年代には終焉を迎えて、SDカードやスマートフォンに保存して音楽を聞くようになるまでは、音楽を視聴するメディアとして主力の座を明け渡さなかった事になります。
人間の耳から聞き取れる可聴域というのが20Hz~20KHzとなっていますが、この可聴域の範囲内で聞き取れる音をアナログ信号からデジタル信号に変換した際のサンプリング周波数が22.05kHzの2倍の44.1kHzとなり、それ以外の音はフィルターでカットされます。
また、量子化ビット数が16bitであれば、1ビットあたり6dBのダイナミックレンジとなるので、1×16で96dBとなり、人間の聴覚が持つ120dBよりも狭い範囲の音しかCDには収録できていないという事になります。
デジタル信号化されたCD音源や圧縮率の高いMP3の他、高圧縮率を誇るAACなどは、深みが無くて薄っぺらく聞こえると批判される事があるのは、サンプリング周波数と量子化ビット数の関係で繊細さが失われているという事なのでしょう。
実際の所はD/Aコンバーターやアンプ、ケーブルからスピーカーにまで拘らないと分かりにくいとは思いますが、デジタルデータを聞いた時の音がオーケストラなどを会場で聞いた時の音よりも深みが無いように聞こえるのは、きっとそこなのだと思います。
ハイレゾリューションオーディオとは?
出典:トヨタカーナビ/オーディオ基本機能より
通称ハイレゾやハイレゾ音源と呼ばれているハイレゾリューションオーディオというのは、CDに収録されている音声データよりもさらに細かい、44.1kHz以上のサンプリング周波数で量子化ビット数24bit以上、または96kHz/16bit以上で収録した音声データの事で、一般的にはサンプリング周波数が48kHz以上で量子化ビット数が24bitとなる事が多く、人間の可聴域を超える音をデジタルデータにできるのです。
例えばCDでカットされていた楽器の音の響きや歌い手の息遣いなど、生演奏でしか伝える事が出来なかった音の繊細さや重厚感をデジタルデータでも伝える事が出来るようになったのが、ハイレゾ音源のメリットと言っても良いのでしょう。
写真やテレビで言えば、木を全体で映しても木に付いている一枚一枚葉がしっかりと判別できるかのような解像度が高い映像を見せられていると思っていただければ分かりやすいと思います。
ハイレゾリューションオーディオのデメリット
ハイレゾリューションオーディオは、CDに収録されている音源よりも繊細さが増したことによって、1曲あたりの容量が大きくなり、74分収録可能なはずのCDに収録した場合は5曲程度しか入りません。
1曲あたりのファイルサイズが200MBを超える事もあるので、例えば10曲をストレージに保存すれば2GBを消費し、128GBの記録容量があるスマートフォンに保存をすれば、OSなどで使用される容量を除くと500曲程度しか保存できないという事になります。
つまり、音楽をダウンロードする金額の他に保存をするためのストレージも大容量な製品を選ばなくてはいけなくなります。
オススメはハイレゾ対応の音楽サブスク
音楽を月額で聞くことが出来るサブスク音楽配信サービスは沢山ありますが、ロスレス圧縮である可逆圧縮方式のオーディオコーデックであるFLACとALACを採用しているサブスク音楽配信サービスは、メジャーな所で2か所しかなく、FLACとはFree lossless Audio Codecの略でその名の通りオープンソース、その一方ALACとはAppleが開発したApple lossless Audio Codecの略で、どちらもハイレゾ音源対応の可逆圧縮音声ファイルフォーマットなのです。
ALACでお分かりの通りにハイレゾ対応のサブスク音楽配信サービスの一つはApple Music、FLACを採用しているのがAmazon Music Unlimitedなのですが、筆者的にはAmazon Music Unlimitedがオススメです。
Apple Musicは接続を切った時と再接続をした時の音量が変わってしまう事や、ハイレゾ音質とCD音質の切り替えにスマートフォンの設定にイチイチ入らないといけないという事で、今までインストールしていたApple MusicとSportifyをアンインストールしてAmazon Music Unlimitedに入れ替えました。
普通に音楽を聞いている分にはどちらもさほど変わらないと思いますが、車載プレーヤーとして利用するのであれば使い勝手で言うとAmazon Music Unlimitedの方に軍配が上がります。
Amazon Music Unlimited
Amazon Music Unlimitedの料金
個人のAmazonプライム会員は月額980円、プライム会員でない方は月額1,080円で音楽が聴き放題となり、ファミリープランであれば6台の端末で同時に利用可能で月額1,680円となります。
個人プラン | ファミリープラン | ワンデバイスプラン | |
月額料金 | 980円(非プライム会員は1080円) | 1680円 | 480円 |
年額料金(プライム会員のみ) | 9800円 | 1万6800円 | – |
最大認証可能端末 | 10台 | 10台 | 1台のEcho端末またはFire TV端末 |
同時に利用できる端末の数 | 1台 | 6台 | 1台のEcho端末またはFire TV端末 |
年齢制限 | – | 13歳以上 | – |
スマートフォンを接続して自宅でも音楽を聴くような方は個人プランやファミリープランがオススメですが、車載用にFire TVを接続しているような方はワンデバイスプランがオススメです。
※ハイレゾ音源の視聴は第3世代以降の「Fire TV Stick」シリーズと、「ARC」または「eARC」に対応したテレビもしくはオーディオ機器が必要
Amazon Music Unlimitedの音質
SD | HD | Ultra HD | Dolby Atmos・360 Reality Audio | |
サンプリングレート | 48kHz | 44.1kHz~96kHz | 44.1kHz~192kHz | 48kHz |
量子化ビット数 | 不明 | 16bit | 24bit | 16bit~24bit |
最大ビットレート | 320kbps | 850kbps | 3730kbps | 不明 |
音質 | 標準音質 | 高音質 | ハイレゾ音質 | 空間オーディオ |
コーデック | Opus | FLAC | FLAC | Dolby AC-4 IMS? MPEG-H (MHA1)? |
曲数 | 不明 | 1億曲以上 | 700万曲以上 | 不明 |
HDが高音質でUltra HDがハイレゾ音声となりますが、両方ともFLACでの配信となり、量子化ビット数の違いと最大ビットレートで差をつけている模様。
また、見ていただければ分かる通りにDolby Atmosや360 Reality Audioなどの立体音響を楽しめる空間オーディオにも対応しているのです。
ただし、全ての曲でハイレゾ音質や空間オーディオを楽しめるわけではなく、最近の曲を中心にハイレゾ音質や空間オーディオに対応した楽曲でのみの対応となってしまう点は注意が必要。
割とK-Popなどを含めた海外で製作している楽曲の方が対応している場合が多いです。
サブスク音楽配信サービスはダウンロードをしなくて良い分、通信量が多くなってしまうデメリットがあります。
特にハイレゾ音質や空間オーディオはファイルサイズがとても大きいので、定額制プランのスマートフォンやポケットWi-Fiを接続して楽しむのがオススメです。
ディスプレイオーディオへの接続はUSBまたはBluetoothで!
iPhoneやAndroidなどのスマートフォン端末をトヨタ車のディスプレイオーディオに接続する際は、USBかBluetoothでの接続となります。
iPhoneの場合はApple Carplay、Androidの端末であればAndroid Autoでディスプレイオーディオとペアリングをして音楽の視聴が可能になりますが、便利になる反面、通話機能やLINE、またメールなどの通知も割り込んでしまうので、筆者の場合は音楽視聴用のスマートフォンをポケットWi-Fiに接続をしております。
また、通常の視聴モードと自動車用のカーモードがありますが、プレイリストを埋めておかないと、どうでもいい音楽などがプレイリストに入れられてしまう事があるので、先にお気に入り楽曲でプレイリストを埋めておきましょう。
音質の設定方法
ストリーミング設定でWi-Fi接続時のみストリームするをオフにし、HD/Ultra HDにチェックを入れておくと空間オーディオやハイレゾリューション再生が優先されます。
もし通信の定額制プランを契約していない場合は、音楽の視聴だけで通信制限を受けてしまう可能性もあるので、設定には注意しましょう。
もし自動などに設定していて最高音質で再生されていない場合は、音質の設定は楽曲の再生ページで設定を行います。
右下の「・・・」をタップすると、「その他のオプション」でオーディオ品質を設定できます。
TWICEの最近の曲は空間オーディオのDolby Atmosとハイレゾ音質のロスレスオーディオのみの配信となっていますが、NiziUはハイレゾが最高音質、Stray KidsはCD音質のHDが最高音質になるなど、同じ事務所でも音質の差にバラつきはあります。
トヨタの90系新型ヴォクシーハイブリッドにオプションのディスプレイオーディオプラスを付けて、ハイレゾ音質で音楽を聴いていますが、正直言って自分の耳では区別はつきません。
しかし、ほとんど変わらない月額でせっかくサブスクを登録するなら、音質が良くて使い勝手が良いAmazon music Unlimitedはオススメですよ!
Amazon music unlimitedへの登録はこちら!
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