家電量販店などで見かけるUSB急速充電器にPD対応やQC対応と記載されたアダプターを見かけた事は無いでしょうか?このページでは、間違えて購入しないために、USB急速充電器で見かけるQCとPDの規格の違いと互換性について説明をします。
USB 急速充電器のQCとPDの違いとPower IQの互換性
QC(Quick Charge)とは?
QC2.0やQC3.0などと記載された急速充電器を見かけた事があるかと思いますが、この規格はアメリカのQUALCOMM社(クアルコム社)が開発したスマートフォンやタブレットなどを急速充電出来る規格で、名称はQuick Charge(クイックチャージ)の頭文字から由来しています。
また、QCとAnker社のPower IQ 2.0のType-A(USB 3.0)端子は互換性のある急速充電規格ですので、この記事では同じ規格扱いとしています。
通常のUSB充電器であれば5Vが定格電圧で、充電しようとしている機器に搭載しているバッテリーの残容量に合わせて電圧が変動する事はありません。
しかし、Quick Charge(QC)であれば、機器側の対応・非対応を自動的に判別し、電圧や電流を自動で調整しながら急速に充電をする事が可能な規格なのです。
QC2.0(Quick Charge 2.0)は、充電器側が5V/9V/12V/18V(20V)の中から自動で電圧を選択して、モバイル機器などの急速充電を行いますが、過充電による発火の恐れがある80%以降は電圧を下げて通常充電を行います。
QC3.0は、3.6Vから20Vまでの電圧を200mV単位で自動調整を行い、QC2.0よりも小刻みに電圧を変動させて、充電に最適な電圧値、電流値を調節して充電が出来るようになりました。
PD規格はUSB Type-Cの充電規格になりますが、QC(Quick Chage)はUSB Type-A端子から電源を供給し、機器側はUSB Type-AやType-C、またiPhoneなどで採用しているLightningなど、USBで充電をする機器であればほぼ全ての機器に対応をしています。
もちろん機器側がQCに対応出来なければ、USBの定格電圧である5V以上の電圧はかからないので、機器を破損してしまう心配もありません。
また、DJI製ジンバルなどの電圧が高い独自のUSB充電規格を採用している機器であっても、QC対応の充電器を使用すれば自動的に電圧を上げて充電をする事が可能です。
USB PD(Power Delivery)とは?
USB PDは、USB Power deliveryの略称で、Apple、ヒューレット・パッカード、インテル、マイクロソフトなどが主導企業となっている、USB Implementers Forum (USB-IF)というUSBの規格作成団体が規格化したものであり、USB Type-C端子のみで対応している給電規格の一つです。
5V/9V/15V/20V/28Vの中から自動で出力電圧と電流を調整してモバイル端末やノートPCまたは、大型デジタル機器などのバッテリーを急速充電できる規格なのですが、QCと違う点はUSBケーブルや端末がPD(Power Delivery)規格に対応していないと、使用する事は出来ません。
USB-IFが規格化したので、これから様々な機器で標準化されるかと思いますが、例えば消費電力が100Wクラスの電化製品でPD規格が採用されると、ACアダプターやケーブルが100W出力に対応していないと使用できない点については注意が必要です。
また、Anker社のPower IQ 3.0のType-C端子がUSB PDと互換性のある規格となっております。
まとめ
USB PDに対応している機器はUSB PD対応の充電器またはモバイルバッテリーを使用するようにしてください。それ以外の機器については、QC(クイックチャージ)または、QCと互換性があるAnker Power IQに対応した給電機器で急速充電が可能です。
また、例えどちらに対応していたとしても、CEマークまたはPSEマークが入っていない製品は必要な安全基準をクリアしていない可能性が高く、発火や機器を破損する事も考えられるので購入をしないようにしましょう。
ちなみに、家電量販店でも販売しているのがAnkerの充電器だから安心して使用しているというだけで、決してAnker社の回し者ではございません。
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