三陸復興海岸や三陸ジオパークの中心に位置する浄土ヶ浜は、岩手県宮古市を代表する景勝地です。
白い小石の浜辺が広がる風景と青い海のコントラストが美しく、透明感のある水の色は見る角度や天候などによってエメラルドグリーンや群青色など鮮やかな色彩を見せる事から、「群青の海」とも呼ばれています。
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浄土ヶ浜とは?
岩手県宮古市の宮古港北側にある浄土ヶ浜は、陸中海岸を代表する観光名所として知られていますが、元々浄土ヶ浜という名称であったわけではありません。
この名称は、宮古山常安寺七世の霊鏡和尚が「さながら極楽浄土のごとし」と、目の前に広がる風景に感嘆したことから名付けられたともいわれており、約300年前に未だに見た事のない絶景を目の当たりにしたことがこの地に残される事となった由来になっています。
白い岩肌と深く透き通ったような青色をしている水面がとても美しい景勝地ですが、この景色が形成されたのは今から約5200万年前の古第三紀という白亜紀の次の時代頃と推測され、上昇したマグマが冷えて固まり、地殻変動による地盤の隆起や波や風の影響による浸食を長年繰り返し、現在の美しい景観が形成されてきたと言われています。
岩手県出身の詩人で童話作家の宮沢賢治も1917年に、花巻の実業家たちが組織した「東海岸視察団」に父親の代理として参加した際に、この地を訪れ「うるはしの海のビロード昆布らは寂光のはまに敷かれひかりぬ」という歌を詠まれ、その石碑も残されています。
今は白い岩肌と穏やかな青い海が美しい観光名所として全国からも観光客が訪れるようになりましたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災による大津波の被害を受けており、瓦礫の撤去や復旧工事が続けられた結果、大自然の美しい景観を眺める事ができるようになったのだそうです。
浄土ヶ浜の自然歩道
自然歩道と遊覧船乗り場
浄土ヶ浜には海岸線を眺めながら散策ができる自然歩道(遊歩道)が整備されています。
入り口が少々わかりにくいのですが、第一駐車場がある浄土ヶ浜ビジターセンターのすぐ隣に狭い小道があり、そこを徒歩で進んで行きます。
その狭い小道を海岸沿いに歩いて行くと、浄土ヶ浜を出発して北側にある姉ヶ崎までを40分かけて周遊する事ができる遊覧船乗り場があり、その手前には海の景色を座って眺める事が出来るテラスが整備されています。
この遊覧船は季節や天候などの条件により運休や時間の変更もありますが、中学生以上の大人1,500円、6歳から小学校6年生までの小人750円、幼児無料で搭乗できます。
運航情報:みやこ浄土ヶ浜遊覧船
浄土ヶ浜自然歩道のトンネル
この遊歩道には全体で2ヶ所のトンネルがありますが、どちらとも数10メートルぐらいのほぼ平坦なトンネルです。
浄土ヶ浜までの遊歩道は約1キロメートル程の距離がありますが、エメラルドグリーンやブルーに輝く海を眺めながら歩いていくのもすごく気持ちが良いです。
青の洞窟に行けるさっぱ船乗り場
浄土ヶ浜観光で特に有名なのが、青の洞窟との異名もある八戸穴の中に入れるさっぱ船(小型船)です。
時間の都合で乗船は叶わなかったのですが、穴の入り口から差し込む太陽によって透明度の高い海水が青く輝く事からこの異名が付けられたのだそう。
八戸穴という名称も、この穴に入った犬が青森県八戸市で見つかった事から付けられている事から、八戸まで続いているという話になったのだとか。
実際にはそんな長さはなく約8メートルほどしかないのですが、入り口がとても狭いため小型船でしか行く事の出来ない名所中の名所となっています。
この船は、大型遊覧船乗り場の先にある浄土ヶ浜マリンハウスで手続きを行い、一人1,500円で乗る事ができます。
運航情報:浄土ヶ浜マリンハウス
浄土ヶ浜を見下ろす御台場展望台
浄土ヶ浜マリンハウスの隣にある御台場展望台も、自然が長い年月をかけて作り上げて来た美しい絶景を眺められる名所の一つで、ガラスの白っぽい成分が多く含まれる白く尖った岩肌と、透き通るような群青色の海とのコントラストがとても美しく、霊鏡和尚が「さながら極楽浄土のごとし」と言い放ったのもわかるような気がします。
生憎の曇り空で太陽の日差しが入らない状態での散策となりましたが、それでもこの青さは本当に凄い!
浄土ヶ浜に続く遊歩道
曲がりくねった自然歩道からエメラルドグリーンの海岸線を眺めながら、先に続く浄土ヶ浜に進みます!
行ってみて初めて分かった事なのですが、東北地方にこんな美しい景色を眺められる場所があるとは思いませんでした。
白い小石の浜が続く浄土ヶ浜
遊歩道を歩いて行くと白い小石の浜が続く浄土ヶ浜に到着します。
冬や春などはパノラマ的に広がる景色を眺める事ができる観光スポットでしかないのですが、夏は沢山の人々で賑わう海水浴場にもなります。
平成8年には日本の渚百選、平成12年には日本の水浴場88選にも選出され、さらには平成13年に日本のかおり百選に選定されている程の海水浴場で、景観の他に良好な水質と穏やかな波が高く評価されているのだそう。
浄土ヶ浜レストハウスの展望台
浄土ヶ浜の側にある浄土ヶ浜レストハウスの屋上には展望台があり、この地一帯の風景をパノラマ的に眺める事ができます。
このレストハウスにはお土産売り場や、地元の食材を贅沢に使用した海鮮丼などの様々な料理が味わえるレストランの他、海水浴シーズンになると脱衣所や温水シャワーも使えるそうです。
ここまで来たらまた元の場所に戻らなくてはいけないのですが、11月1日から3月31日までは自家用車でも行けるとの事。
道幅がとても狭くなっている区間は片側交互通行となっているので、第一駐車場と浄土ヶ浜の両方で誘導員による誘導での通行が可能となっています。
4月1日から10月31日までは通行が規制され、第1駐車場→浄土ヶ浜→第3駐車場までの一方通行、歩行が困難な人、業務上通行が必要な人など特別な事情がある場合に通行許可証が発行されます。
関連記事:宮古市役所
私も遊覧船に乗れなかったという悔いが残っていますが、一度だけではなく何度でも訪れてみたい!と感じる本当に素敵な場所でした。
リアス式海岸の景色を眺めながら龍泉洞などの岩手県が誇る観光名所の数々を訪れる拠点として訪れてみて欲しいエリアです。
浄土ヶ浜の動画
Jodogahama Beach 群青の海 浄土ヶ浜の絶景と夜空の星 岩手・三陸海岸 Ultramarine sea in Iwate Tohoku Japan[4K]
浄土ヶ浜は星の観察スポットとしても知られている場所なので、深夜0時から朝焼けが見える時間まで通しで撮影、太陽の位置の関係で一度離れていましたが、午後から再び撮影をしております。
癒しの音楽と共に浄土ヶ浜の美しい景色をお楽しみください。
浄土ヶ浜の駐車場や交通アクセス情報
所在地 | 東北地方/〒027-0001 岩手県宮古市日立浜町32 |
駐車場 | 無料 第1駐車場 109台 バス7台 障碍者2台 第2駐車場 128台 第3駐車場 118台 |
交通アクセス | 三陸自動車道 田老真崎海岸ICから約25分 宮古南ICから約22分 |
マップコード | 286 237 234*03(浄土ヶ浜ビジターセンター) |
関連ウェブサイト | 宮古市役所 |
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